どらごんJ-POP 槇原敬之 レビュー

| 槇原敬之  (1990〜)


 大阪出身のシンガーソングライター。91年「どんなときも。」や92年「もう恋なんてしない」、00年代はSMAPへの提供曲「世界に一つだけの花」でよく知られている。99年に覚せい剤で活動停止しているが、その後復帰し再ヒットした数少ないアーティスト。SMAPはじめ、他アーティストへの提供曲も多数あり。


▼---シングル---▼

 (1990) NG
 (1991) ANSWER
 (1991) どんなときも。
 (1991) 冬がはじまるよ
 (1992) もう恋なんてしない
 (1992) 北風〜君にとどきますように〜
 (1993) 彼女の恋人
 (1993) No.1
 (1993) ズル休み
 (1993) 雪に願いを
 (1994) 2つの願い
 (1994) SPY
 (1996) SECRET HEAVEN
 (1996) COWBOY
 (1996) どうしようもない僕に天使が降りてきた
 (1996) まだ生きてるよ
---ベストアルバム「SMILING」---
 (1997) 素直
 (1997) モンタージュ
 (1998) 足音
 (1998) HAPPY DANCE
 (1998) STRIPE!
 (1999) Hungry Spider
 (2001) 桃
 (2001) Are You OK?
 (2002) 雨ニモ負ケズ
 (2002) 花火の夜
 (2002) これはただの例え話じゃない
 (2003) Wow
 (2003) 君の名前を呼んだ後に
 (2003) Good Morning!
 (2004) 優しい歌が歌えない
---ベストアルバム「Completely Recorded」---
 (2004) 僕が一番欲しかったもの
 (2005) 明けない夜が来ることはない
 (2005) ココロノコンパス
 (2006) ほんの少しだけ
 (2007) GREEN DAYS
 (2007) 赤いマフラー
 (2007) お元気で!
 (2008) Firefly〜僕は生きていく〜
 (2008) WE LOVE YOU
 (2009) ムゲンノカナタヘ
---ベスト「BEST LOVE」「BEST LIFE」---

  。


▼---アルバム---▼

| 君が笑うとき君の胸が痛まないように  (1990)


1.ANSWER
2.RAIN DANCE MUSIC
3.80km/hの気持ち
4.12月の魔法
5.桜坂
6.close to you
7.NG
8.FISH
9.君を抱いたら
10.北風

 デビューシングル「NG」と同時発売だった、槇原敬之の1stアルバム。「どんなときも。」大ヒット前唯一のアルバムということもあり、オリコン最高位48位ながら、30万枚以上を売り上げたロングセラー作品です。

 こ、これでデビュー作なのか…!? メロディーに優れた作品を多く残している彼の作品の中でも、とかくメロディーにおいてこの1stアルバム以上に秀でた作品は未だないかと思います。幻のインディーズ作とされる「close to you」はじめ、「80km/hの気持ち」や「RAIN DANCE MUSIC」は今でも人気が高く、また後にシングルとして発売され大ヒットした「北風」も本作の収録楽曲です。またその他のアルバム曲、特に「桜坂」や「FISH」なんかも、何気に神曲級の出来かと思います。そりゃもう「NG」「ANSWER」のシングル2曲が浮いてるほど。

 デビュー直後ということでアレンジ(というか録音)が安っぽいのが少々残念ですが、それを補って余りあるクオリティを誇る曲があり…というか全部です。槇原の良さを少しでも知っている人は、多少無理してでも聞いて欲しいと思います。

評価 10★★★★★★★★★★10
スタイル 静■■□□□激


| 君は誰と幸せなあくびをしますか。  (1991)


1.どんなときも。
2.僕の彼女はウェイトレス
3.AFTER GLOW
4.Necessary
5.満月の夜
6.EACH OTHER
7.ひまわり
8.CALLIN'
9.3月の雪
10.僕は大丈夫
11.どんなときも。

 自身最大のヒット曲である「どんなときも。」が売上をみるみる伸ばしていた時期にリリースされた作品で、シングル曲の収録も同曲のみですが、ロングヒットで50万枚以上を売上げた初期作です。「どんなときも。」以降は大ヒットを連発し一流シンガーとしての路線を行っているので、純粋な黎明期と呼べるのは、デビュー作と、2枚目である本作であると言えるでしょう。

 いやがうえでも意識するはずの「どんなときも。」が最後におまけのように収録され、あくまでもアルバム曲を楽しむ構成です。序盤から中盤はバラード、後半に行くにつれポップスという少々聞きにくい曲順ですが、いやまあ…どちらを取っても、天性の素質としか言いようのない素晴らしいメロディーを誇る曲の応酬。前作に比べると目立つ楽曲は少なく、火力的にはそうでもないんですが、どの曲もよく練りこまれていて、何と言いますか…隙がなく良いですね。

 ベスト盤にも収録された2曲目「僕の彼女はウェイトレス」が、耳当たりも良くさすがに目立ってますが、後半の「CALLIN'」「3月の雪」が実はヤバイくらい名曲かと個人的には思っています。また、中盤のバラードは全部当たり。「どんなときも。」説明不要の超名曲。多少アレンジがアレだけど、すごいね、こりゃ。

評価 8★★★★★★★★8
スタイル 静■□□□□激


| 君は僕の宝物  (1992)


1.INTRODUCTION
2.くもりガラスの夏
3.もう恋なんてしない
4.三人
5.まばたきの間の永遠
6.てっぺんまでもうすぐ
7.雷が鳴る前に
8.涙のクリスマス
9.遠く遠く
10.冬がはじまるよ
11.君は僕の宝物
12.君は僕の宝物(リプライズ)

 ミリオンセラー「もう恋なんてしない」、冬の定番曲「冬がはじまるよ」、度々ベスト盤収録やリテイクされている超人気曲「遠く遠く」を含む2ndアルバム。130万枚を売上げ、彼のオリジナルアルバムでは最大のヒット作となっています。

 ヒットシングル、元気のよいポップス、インスト、ミディアムテイスト、人気曲、そしてラストはバラードと、大ヒット作らしいスタンダードで整った構成。内容もその構成通り充実しており、特に文句をつけるところがありません。曲数は少ないですが1曲1曲非常に丁寧に練り上げられており、かつ上記のように、良いアルバムの要素が完璧に近い形で揃っているので聞きやすさもバツグンです。前作までの素人っぽい音もなくなりました。

 収録されている大ヒット曲は2曲とも超絶な出来、個人的には彼の曲の中でも1,2を争う名曲「遠く遠く」、バラードの定番「てっぺんまでもうすぐ」、あとラストに収録されているタイトルトラック「君は僕の宝物」が特に良いですね。てか「くもりガラスの夏」も人気のポップスだし、「三人」もいいし、「涙のクリスマス」もすんげえメロディーだし…良曲率高すぎ。

評価 9★★★★★★★★★9
スタイル 静■■□□□激


| SELF PORTRAIT  (1993)


1.君に会いに行く
2.No.1
3.さみしいきもち
4.髪を切る日
5.Witch hazel
6.彼女の恋人
7.SELF PORTRAIT
8.困っちゃうんだよなぁ。
9.MILK
10.ズル休み
11.雪に願いを
12.猫がふんじゃった

 1位獲得曲「No.1」はじめ、「彼女の恋人」「ズル休み」、後にシングルカットされた「雪に願いを」などのヒット曲を収録した4th。先行シングル「北風」は未収録ながら、前作に引き続きミリオンセラーとなっています。

 1曲目から透き通るようなラブバラード、ラストもクラシックオーケストラのバラードで、静かーなアルバムというイメージがあります。中盤はポップスも多く、収録曲で一番有名な「No.1」も非常に元気のある楽曲なんですが、要所要所が非常にしっとりしているのに加え、底抜けに明るい曲がないのでこう感じるのでしょう。

   彼の作品にしては、シングル曲アルバム曲通して、結構中途半端な楽曲が多いアルバムかと思います。メロディーもこれまでのように神づくしではないですし、前述の通り、ポップスのテンションがなかなかに微妙で、特に前半は少々聞きどころに迷います。5曲目「Witch hazel」とか、とっても良いのになんかムズムズします。

 彼らしい整ったメロディーが戻るのは9曲目からの3曲。特に9曲目の「MILK」がメロディー、アレンジ共に完璧で恐ろしいことになってますので是非。

評価 6★★★★★★6
スタイル 静■□□□□激


| PHARMACY  (1994)

1.INVITATION
2.HOME WORK
3.DARLING
4.2つの願い
5.LONESOME COWBOY
6.TWO MOONS
7.SPY
8.花水木
9.OCTAVERS
10.今年の冬
11.恋はめんどくさい?
12.東京DAYS

 大ヒット曲「SPY」を収録した、5枚目のオリジナルアルバム。初登場1位、80万枚を売上げている大ヒット作です。

 彼の代表曲の1つであると言える「SPY」の存在感もさることながら、殺人級のアルバム曲が多数収録されている、槇原屈指の名作。前半のポップな「HOME WORK」「DARLING」の2曲の他、後半の「花水木」「今年の冬」、そして「東京DAYS」の怒涛のバラードは圧巻。どうやったらこんないい曲ばっかり作れるのか…。どうか1曲1曲大切に聞いてみてください。

 ただ一つ言わせてもらうとすれば、曲順があまりよくないような…。シングルの置き場所が中途半端ですし、中盤のバラードも勢いをそがれ、後半バラードの大事なところにおちゃらけ曲「恋はめんどくさい?」が入ってたり…。どうにもいい曲の詰め合わせ感が出てしまってるような気がします。

ということで、自分ならこうする!
1.INVITATION
2.2つの願い
3.OCTAVERS
4.DARLING
5.HOME WORK
6.花水木
7.TWO MOONS
8.今年の冬
9.恋はめんどくさい?
10.SPY
11.LONESOME COWBOY
12.東京DAYS

評価 9★★★★★★★★★9
スタイル 静■■□□□激


| ver.1.0E LOVE LETTER FROM THE DIGITAL COWBOY  (1996)


1.Hey Yo!
2.COWBOY
3.The Lover In You
4.Running Out Daydreams
5.Day And Night
6.9×FOREVER
7.My Eyes Adored You
8.I Can Feel Your Heart
9.SECRET HEAVEN
10.LIMIT'S OF LOVE
11.I'm Not Gonna Fall In Love
12.BYE BYE COWBOY
13.If You Believe In Love

 日本を含む海外で、MAKIHARA名義でリリースされた6枚目のアルバム。海外でどの程度売れたのかはわかりませんが、国内では前作から大きく売上を落としました。先行シングルは「SECRET HEAVEN」のみですが、リードトラックの「COWBOY」がシングルカットされています(なんか洋楽っぽいやり方です)。

 楽曲は全部英語詞で、サウンド的にもタイトル通り洋楽っぽいデジタルサウンドを駆使した曲が多く収録されているなど、根本こそ変わっていないものの、これまでの槇原っぽさをかなりの部分でそぎ落としたように見える作品となっています。作詞も大変珍しいことに本人ではなく、これまで聞いてきた人には馴染みにくい作品かもしれません。
 ただ逆に、元々この人はテクノのデジタルサウンドに親しんでいる人なので、見た目は洋楽っぽく"見せている"作風にしておきながら、彼の音楽の本質が垣間見えている気もします。

 異質な作品ではありますが、内容的にそこまで崩れているわけでもなく、ごく普通の良盤といった印象です。「デジタル〜」というタイトル通り、デジタルポップス系統の曲はメロディーもノリもよく、聞きやすさとマニアックさが絶妙でとても良いと思います。特に6曲目「9×FOREVER」とか、11曲目「I'm Not Gonna Fall In Love」なんかすっごい良いので是非聞いてほしいです。
 ただ見た目よりバラードが強調されており、その勢いを生かしきれてないのも事実。中盤でヘニャっとなる曲が続いたりと、全体のバランスもいまいちです。見た目の異質さも重なって、少々聞きにくい作品になってしまっているのが残念かと思います。

評価 6★★★★★★6
スタイル 静■■□□□激


| UNDERWARE  (1996)


1.男はつらいっすねぇ
2.PENGUIN
3.どうしようもない僕に
天使が降りてきた
4.君の自転車
5.うん
6.I need you.
7.revenge
8.オオカミ少年
9.THE END OF THE WORLD
10.PAIN
11.LOVE LETTER
12.まだ見ぬ君へ

 MAKIHARA名義を除くと、2年以上ぶりにリリースされた7thアルバム。先行シングルは「どうしようもない僕に天使が降りてきた」1曲のみとなっていますが、70万枚以上を売り上げた大ヒット作になっています。

 MAKIHARA名義の前作とはうって変わり、これまで以上にやさしさのあるポップスを意識している感じです。タイトルトラックだろう1曲目「男はつらいっすねぇ」こそロックチューンですが、その後はバランスよくポップスとバラードが並んでいて、とげとげしさは微塵も感じさせない作りになっています。

 「どんなときも。」一発で消えなかったのは決して運でもタイミングでもなく、本当に実力があったからだということを5年越しに再認識させられる、完成された傑作。やわらかく美しいメロディー、透き通った優しい声、心温まる歌詞、そして無限大に込められた歌心…。デビューから積み重ねてきたもののイイ部分がこの作品には一通り存在していて、もちろんそこまで好きじゃない曲もありますが、無駄だなと思う曲はありません。どこを取っても最高の一部です。
 曲単品で言うなら、シングル曲「どうしようもない僕に天使が降りてきた」、そしてラスト2曲「LOVE LETTER」と「まだ見ぬ君へ」が、彼の楽曲の中でも確実に後世に残るだろう名曲です。他も「PENGUIN」「君の自転車」「うん」「I need you.」「THE END OF THE WORLD」「PAIN」と…、一体どこまでいいんだこのアルバム!

 もちろんこの作品の前にも後にも素晴らしいアルバムはたくさんありますが、この時期があらゆる意味で彼の「最強」を見ていた気がします。

評価 10★★★★★★★★★★10
スタイル 静■■□□□激


▼---すごい好きな曲---▼

| 青春ライン

 青春ライン。



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