１．RAGレター
２．start
３．ダンス天国
４．fallin' RAG
５．Magical Mystery Tour
６．To Feel The Fire
７．Hound dog
８．I RAG YOU
９．青空
10．イッショウケンメイ。

　楽器を使わず、自分達の声だけでドラムもベースもやってしまうアカペラグループ「RAG FAIR」のデビューミニアルバム。1分に満たない曲も多数あり、収録時間は25分程度です。また、10曲目「イッショウケンメイ。」はネプチューンのカバー曲。彼らのアルバムの中でも、ほぼ100％肉声だけというのは（多分今のところ）本作だけです。

　他のミュージシャンと根本的に違うのは、やはりボイスパーカッション。ゴスペラーズのようにコーラスだけでなく、ドラムまで肉声というのはJ-POPヒット界では他に類を見ません。声だけだからといって、音楽として楽器の曲に劣るということも特になし！音のボリューム十分、普通に聞けます。

　 　しかしながら、曲数が少ないこともありますが、曲的にグッとくるものはまだまだ足りないと思います。アカペラらしさを生かした面白い曲もありますが、自分たちが楽しむことへの比率がちょっと高すぎるような気がしますね。2曲目「start」とラスト2曲目「青空」がまずまず聞きやすい程度、カバー曲である「イッショウケンメイ。」も、原曲の方がいいと思います。

　少し違った音の世界を楽しめる貴重な1枚と言えますが、結構マニアックで聞きにくい上、無理して残そうと思う曲もないので、そんなにおすすめはできません。

評価　２★★２
ｽﾀｲﾙ　静■■■□□激

１．ラブラブなカップル
フリフリでチュー
２．恋のマイレージ
３．Sheサイド ストーリー
４．tea time lover
５．regret
６．dolphin
７．あさってはSunday
８．ALL ABOUT LOVE
９．だから忘れない
10．マジカル恋のパワー
11．In My Heart
12．空がきれい
13．かえりみち

　自らの声だけで楽曲を完成させてしまうアカペラグループ、RAG FAIRの1stフルアルバム。１，２フィニッシュを決めたヒット曲「恋のマイレージ」「Sheサイド ストーリー」など、デビューから5曲のシングル曲を収録しています。

　メジャーデビュー作であった前ミニアルバム「I RAG YOU」がサークル活動の延長のような実験的、お遊び的な作風だったのに対し、本作は驚くくらいプロらしさが前面に出た内容となっています。前作のような奔放さはほとんどなくなり、他アーティストと同様、標準的なプロのクオリティーを追及した楽曲が並んでいます。また声だけでなく楽器を使用した曲が半数ほど登場し、バリエーション豊かな音が響くようになっています。

　このアカペラ曲と楽器曲の融合が大当たり。前半の、声ONLYシングル曲ではボイスパーカッションの温かさ、真新しさを楽しめ、中盤以降はメロディー重視、それでいて楽器とコーラス、ボイスパーカッションの美しいセッションを堪能することができます。曲レベルの高さも相まって、彼らのウリである声による楽曲を聞きやすく、それでいて美しく、最大限に生かした作りになっていると思います。これは名盤ですね。
　個人的お気に入りを挙げますと、声ONLYではバラード「Sheサイド ストーリー」、序盤のポップス「tea time lover」、楽器曲ではアコギ融合の「あさってはSunday」、ピアノ融合「空がきれい」、フォーク的な要素を含んだ「だから忘れない」辺り。その他の曲も完成度が高く、良曲率はすこぶる高いです。

　楽器を使用したこと、自由さがなくなったことが、彼らや彼らのファンにとって心情的にプラスなことかどうかはわかりませんが、楽曲のクオリティーに関しては、遥かなレベルアップを果たしていることは間違いないと思います。

評価　８★★★★★★★★８
ｽﾀｲﾙ　静■■□□□激