１．春夏秋冬
２．モラトリアム
３．春景色
４．アカシア
５．永遠と一瞬
６．深呼吸
７．ドッグイヤー
８．五月雨
９．コスモス
10．3月9日
11．南風
12．海のバラッド

　「粉雪」で一世を風靡したバンド、レミオロメンの2ndアルバム。ブレイク曲である2nd「3月9日」から、スマッシュヒット5th「南風」までを収録し、初登場2位を記録しました。すさまじいロングヒットとなった「3月9日」からちょうど1年後とリリースが遅く、ブレイクバンドとしてのベクトルが当時少しかみ合わなかったこともあり、内容の割に売上はそこまで伸びていません。

　小林武史ファミリー（ミスチルとかマイラバとか）の一員になったバンドの上昇期だけあり、キャッチーなメロディーと編曲具合が心地よい仕上がりです。ブレイク曲「3月9日」がやたらと神格視されていますが、それよりも「アカシア」や「南風」といった、王道とバンドを合わせたような曲が聞きやすくていい感じですね。面白さには欠けるものの、メロディーを重視したミディアム楽曲や、軽めで安定したポップが多く、地に足のついたようなしっかりしたスタイルを感じます。この後、「粉雪」という世代を代表するヒット曲を生みだしたのが納得できる出来と言えます。

　完璧メロディー「アカシア」、サビの盛り上がりがすごい「永遠と一瞬」、ダカダカが心地よい「ドッグイヤー」、終盤の雰囲気を兼ねたポップ「コスモス」なんかが、J-POPとしては至高ですね。「モラトリアム」はちょっとくどいです。

評価　６★★★★★★６
ｽﾀｲﾙ　静■■□□□激

１．スタンドバイミー
２．1-2 Love Forever
３．プログラム
４．蒼の世界
５．シフト
６．傘クラゲ
７．太陽の下
８．MONSTER
９．明日に架かる橋
10．紙ふぶき
11．粉雪
12．流星

　誰もが知る大ヒット曲となった「粉雪」を含む3rdアルバム。ミリオンには届きませんでしたが、タイミングのよいリリースで、3週連続1位を獲得した大ヒット作です。

　ロックでポップな前作の路線をそのままに、メロディーを更に強化したような曲で占められてる上、更には「粉雪」が収録されているため、心情的にも内容的にも非常に聞きやすい作品です。「粉雪」のインパクト、名曲具合は語るに及ばず、アルバム曲も序盤「スタンドバイミー」はじめ、サビのメロディーが最高な「1-2 Love Forever」、異色なデジタルサウンド曲ながらCM曲としてアルバム曲の代表とも言える「明日に架かる橋」、ベスト盤にも収録されたミディアムナンバー「紙ふぶき」など、かなり良曲揃いです。特に2曲目の「1-2 Love Forever」は、個人的にはレミオの中でも最高峰の曲だと思ってます。

　とまあ、超優秀な安パイといった感じの作品なんですが、このアルバムの弱点を挙げるとすれば、それは「粉雪」という大ヒット曲を生かせてないことでしょう。彼らの中でも桁違いの大ヒット曲であるこの曲しか知らない人が本作を聞くに当たって、序盤からポップが続き、中盤でロック、ミディアム、デジタル、名曲風味とお腹いっぱいに彼らを味わった最後に「粉雪」が来ては、その威力は半分以下でしょう。本曲があまりにも名曲＆シングルとして浸透している曲である以上仕方ないことではあるのですが…。

　とはいえ、本作が良盤であることは揺るぎません。個人的にはベスト盤より優先的に聞くべき作品だと思います。

評価：７★★★★★★★７
ｽﾀｲﾙ：静■■■□□激