どらごんJ-POP いきものがかり レビュー

| いきものがかり  (2006〜)


 女性ボーカルと男性2名のユニット。デビューから徐々に人気を上げ、08年、09年と1位を連発するヒットアーティストに成長。90年代っぽい無難さが、逆に特徴になっている。

#タイトル
●1st2007桜咲く街物語
●2nd2008ライフアルバム
●3rd2008My song Your song
●4th2008ハジマリノウタ
○ベスト2010いきものばかり

太字=シングル曲 赤字=個人的お気に入り  ※ベスト盤は適宜
| 桜咲く街物語 / いきものがかり (2006)

1.SAKURA
2.KIRA★KIRA★TRAIN
3.HANABI
4.君と歩いた季節
5.コイスルオトメ
6.流星ミラクル
7.青春のとびら
8.ひなげし
9.ホットミルク
10.いろはにほへと
11.うるわしきひと
12.夏・コイ
13.タユムコトナキナガレノナカデ
14.SAKURA
(acoustic version)

  ソニーお得意のスタートダッシュタイアップ抗戦でヒットしたデビュー曲「SAKURA」、アニメタイアップで上位に食い込んだ続く2nd「HANABI」など、満を持して5曲のシングルを収録したデビューアルバム。

  まずまずのヒットとなった「SAKURA」「HANABI」をはじめ、「青春のとびら」「コイスルオトメ」など全体としてシングル曲が幅をきかせていて、アルバム曲はあまり存在を示せていないか、というイメージ。ラストの「タユムコトナキナガレノナカデ」や中盤の転換曲「ひなげし」なんかは個人的にはそこそこお気に入りだが、どうにもシングルを繋いでるだけの曲ばかりのような感じで、これらの曲のためにアルバム聞こうか!というほどでもない。思い切って男性ボーカルで来た「夏・コイ」みたいな遊んでくれた曲がもっとあれば、もう少し長く聞けたかもしれない。

  シングルの良さもあり、曲単位での出来は中の上を行ってるが、風化が早そうな作風なので少々おすすめしにくい作品。

評価 3★★★3
スタイル 静■■■□□激


| ライフアルバム / いきものがかり (2008)

1.Good Morning
2.茜色の約束
3.夏色グラフィティ
4.青春ライン
5.@miso soup
6.ソプラノ
7.花は桜 君は美し
8.ちこくしちゃうよ
9.心一つあるがまま
10.ニセモノ
11.東京猿物語
12.月とあたしと冷蔵庫
13.茜色の約束
(acoustic version)

  「茜色の約束」「青春ライン」などのシングル4曲を収録した2ndアルバム。アニメやCMなどのタイアップもよく、シングル曲がいずれもTOP10入りのヒットとなって上昇気流に乗った時期とあり、本作も当時自己最高の2位を記録した。

  まず4曲のシングル曲が非常にいい。特にアニメタイアップでロングヒットした「青春ライン」、インディーズ時代の名曲「花は桜 君は美し」は頭から離れない中毒性アリ。時期が時期ならもっと大ヒットしていただろう、洗練された売れ筋のメロディーは必聴だ。これらを前半に固めたのは正解だと思う。
  またシングル曲に比べると影は薄いが(シングルが良すぎるせいもあるけども)、アルバム曲も前作と比べると格段に底上げされており、少なくとも前作のような「単なるシングル間の繋ぎ」には聞こえない。スタンダードな曲が並ぶが、後半まで結構楽しく聞くことができる。

  確かにシングルアーティストな彼らだが、そのシングルが好きならば聞いても損はなく、また導入として聞いても充分受け入れられる、中堅的な良作だと思う。前作より全然おすすめ。

評価 6★★★★★★6
スタイル 静■■□□□激


| My Song Your Song / いきものがかり (2009)

1.プラネタリウム
2.気まぐれロマンティック
3.ブルーバード
4.スパイス・マジック
5.かげぼうし
6.帰りたくなったよ
7.massage
8.Happy Smile Again
9.くちづけ
10.僕はここにいる
11.ブギウギ
12.幻
13.心の花を咲かせよう
14.帰りたくなったよ
(acoustic version)

  ついに1位を獲得し、売上的にも大ヒットとなった3rdアルバム。「帰りたくなったよ」「ブルーバード」などのヒットシングルを4曲収録し、また全体の半分以上の楽曲がタイアップ付きなど、全盛期を飾るにふさわしいお膳立てとなっている。

  彼らのアルバムではなんか毎回同じこと書いてるような気がするが、本作もやはりシングル曲がすごくよくて、その少し後ろをアルバム曲が着いてくるといった感じ。新鮮味はないがJ-POPとして完璧な名曲「ブルーバード」や「プラネタリウム」「帰りたくなったよ」などは、個人的にはいずれも年間TOP5に入る素晴らしいシングル曲だと思っている(特に「ブルーバード」は2008年のJ-POPヒット曲で一番好きだったりする)。
  アルバム曲も、やはりシングル曲には及ばないものの、なかなか出来のよかった前作をさらに上回っている勢い。ありきたりなメロディーとアレンジばかりと言えばそうかもしれないが、非常に丁寧に作り込まれているので、ここまでくれば逆に文句のつけようがない。「幻」と「かげぼうし」が特に好きかな。

  まとめると…。あらゆる年代に敬遠されにくいやさしめの曲調と聞きやすさで、90年代、いわゆる商業J-POP全盛期の雰囲気を全力で再現している。3枚目にして、その内容は最高レベルにまで到達。何か軽めにいい曲を聞きたい人には、迷わずおすすめした1枚。

評価 8★★★★★★★★8
スタイル 静■■□□□激


| ハジマリノウタ / いきものがかり  (2009)


1.ハジマリノウタ
〜遠い空澄んで〜
2.夢見台
3.じょいふる
4.YELL
5.なくもんか
6.真昼の月
7.ホタルノヒカリ
8.秋桜
9.ふたり
10.てのひらの音
11.How to make it
12.未来惑星
13.明日へ向かう帰り道

  「YELL」「じょいふる」はじめ、4曲のシングルを収録した4thアルバム。前作に引き続き1位を獲得、売上も50万枚に達した大ヒット作。前アルバムで頂点を極めた感があったが、その勢いを殺さぬようにうまく立ち回り、快進撃を続けた。

  曲自体にあんまり変わり映えしないバンドではあるが、本作は良くも悪くも原点回帰的な雰囲気。「てのひらの音」みたいな3人ボーカル曲が入っていたり(後ろ2人も元々はボーカルだっただけあって、なかなかいい声)、いきものがかりらしさを強調したようなJ-POPが多かったり、あえて変化を感じさせず、タイトル通り彼らの「ウタ」を聞かせてくるような作りかと思う。デビュー5年、そのひとまわりの成長を反映するように、原点回帰と言えども内容的には1stアルバムより間違いなくいいものに仕上がっている。

    ただ、ちょっと守りが堅すぎてカチカチなような気も…。シングル曲はいつも通り超良質で文句ないのだが、アルバム曲の中途半端さが少々目立ち、そのシングル曲を繋いでるような感じまで1stアルバムによく似てしまってる感じがするのが残念か。メロがいいのにサビがズタズタだったり、どうにも押しきれてなかったり、ていねいな作りなのには違いないが、堅い守りがやっぱりこの辺りで仇になってる。そろそろネタ切れというのもあるんだろうが…。

  でもまあ、結局いきものがかりはこれでいいんだ、という気もする。「YELL」や「じょいふる」なんて変態的に良質なJ-POPだし、アルバム曲もやっぱり「真昼の月」とか「How to make it」とか普通にいい曲だと思う。

評価 6★★★★★★6
スタイル 静■■□□□激




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